連載小説
[TOP]
ひらひらと《追憶》[18禁]
ひらひらとこぼれる満開の桜の下を通る。
その度に
果たせなかった約束がちくちくと胸を刺しながら蘇る…


もう10年も経つだろうか
私は売れない音楽家だった。
それでも食べるのに困らない程度には子供のコーラス指導や音楽教室で収入はあった。
時々結婚式場でのBGM演奏やレストランでのシャンソン歌手の伴奏など
独り身を好いことに徒然に生きていた。

或る秋の日
私は次の日曜日にある結婚式のエレクトーン奏者として打合せの為に式場にいた。
丁度その時、結婚写真の前撮りをしにクライアントのカップルが来ていた。
せっかくだからと顔合わせをすることになり、入って来た新婦を見た時


呼吸が止まった


『織絵?!?』

同じ高校の軽音楽部で何時も一緒に笑い転げていた。
私は織絵にまだ幼い恋心を抱きつつも告白する勇気すら持てずに過ごした高校時代。
ただ一度、あの日の出来心は幻だったのか…
卒業式を翌日に控えた音楽室で感傷的になっている織絵を見つけ
あまりの儚さにぎゅっと抱きしめてしまった。
静寂はしばらく続き静けさの後に織絵は私から身体を離すとじっと私の目を見つめ顔を近付けてきた。
そっと唇が重なる。温かく柔らかい唇の感触に頭の中が真っ白になった。
そのまま床に押し倒し制服の上から胸を揉み、スカートに手を入れた。
太ももを愛撫し足の付根へと手を伸ばした時そっと織絵の足が開いた気がした。
下着の上からそっと幼い秘所を触れてみた。
湿り気を帯びて温かくなっていた。
指を布の下へ潜らせようとした時、織絵の
『こわい…響子。』という声が聞こえた。
その後再び織絵を抱き寄せて二人して泣いた気がするが、その他の記憶ははっきり覚えてはいない。

卒業後、織絵は隣県の短大へ私は少し都会の音大へと道は別れ
会う機会もなくなった私の幼い恋は自然と流れていった。
だが、この想い出は誰にも打ち明けることもなく大事に胸にしまっていた。
ずっと忘れない…



『響子?』
7年ぶりの再会に織絵の驚いた声が弾けた。
コロコロと鈴のように響く声はあの頃のまま変わらない。
戸惑うような恥じらうような表情でお互いの視線が絡まった。
『おめでとう。結婚するんだね。』
『ええ。こんな所で再会するなんてびっくりよ。』
そんなありきたりの挨拶を交わし再会の儀は終わった。
係員に急かさられるように撮影に向かう織絵の背中を何だか釈然としないモヤモヤの中で見送った。

《2》 09/03/28 14:24
《3》 09/04/05 04:45
《4》 09/04/06 12:17
《5》 09/04/12 19:12
《6》 09/04/17 06:23
《7》 09/05/03 15:42
《8》 09/05/03 15:43
《9》 09/05/09 18:47
《10》 09/05/11 01:55
《11》 09/05/11 02:25
《12》 09/05/11 03:22
《13》 09/05/11 05:11
《14》 09/05/11 06:05
《15》 09/06/02 23:21
《16》 09/06/03 19:36
《17》 09/06/25 07:25
《18》 09/08/08 19:40
《19》 09/11/02 00:00
《20》 10/10/12 01:20
《21》 10/10/12 17:15

TOP | メール登録

まろやか投稿小説 Ver1.30