読切小説
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雨が上がるまでに
水滴が溜まって落ちていく

ガラス越しの薄い雨音が聞こえる

滴って天から降る雨に自分の気持ちを重ねてみる



今日彼女に別れを告げた

彼女は泣いていた

付き合っていた二年間いろんなことがあったから

笑いも泣きも怒りもしてきたし

うまく噛み合わなかったかもしれないけれどお互いに大切にしようと必死だった



彼女の癖のある髪に触れるのが好きだった

彼女の作るグラタンが好きだった

彼女の寝顔が好きだった


どうしてずっとずっと好きなままでいられなかったんだろう


だけど別れを告げたあたしをみて

何も言わずただ涙を流す彼女に

痛みを伴う恋情を覚えた


それは1ミクロンの後悔



雨が上がったら歩きだそう

雨が上がるまで考えていよう



彼女とやり直すために歩き出すのか

彼女と別の道を歩くために歩き出すのか
11/02/11 01:26更新 / 文月美弥

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まろやか投稿小説 Ver1.30